いつかのMerry Xmas
キーボードを運んでくれている途中のかねやんのお願いを無碍にも出来ず、私はさやちゃんにステージに持っていくと伝えて、楽屋に向かう。

「そろそろリハ始まるみたいよ」

相変わらずだべっている奴らに伝えて、かねやんのカバンを探る。
と、タイミング良く、かねやんのケータイが鳴り出した。


っつか、カバンの中に、ケータイ置きっぱなしにする?
普通。

「さっきからずっと鳴ってんだよね、それ」

「分かった。
 一緒に渡してく――うわぁ」

後ろから、何故かケータイをひったくって、覗き込むのはうちのバンドのギタリストだ。
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