続・女好き彼氏


自分でも
あ、声張り上げすぎたなって思った。


あたしは大きな声を出してから
光太の顔を覗き込む。


すると光太の表情は
もうどん引きの勢いまでになっていた。


てるちゃんの方を見ても
目を合わせてくれない。

どどど、どうしよう!
これはあたしとんでもないことした!!


叫んでから気づいても遅いけど
あたしは後悔した。


後悔しているあたしの頭の上に置かれていた
光太の手はいつの間にか引っ込められていて
それがとてつもなく
寂しく感じる。


そんなとき


「ぐわっ!」


あたしの頭の上に何か重たいものが
ズシッとのしかかった。


その衝撃であたしはつい
変な声を出してしまいとっさに
自分の口を自分の手で塞いだ。


「そーんな恥ずかしいこと
よく大声で言えるなー、美夜」


ドキッ。


あたしの心臓がまた跳ね上がる。


今度は嫌な心臓の跳ね方じゃなくて……


なんかこう…

嬉しいような…恥ずかしいような…

幸せなような…

そんな心臓の音。


「俺も好きな子に
そうやって言われてみたいなー、美夜」


羨ましそうに言ってくるその人は
またあたしの心臓をドクドクと動かしてきた。


まぁ、心臓が勝手に早く動き出したんだけどさ。


あたしの頭の上に両手を置いている人物の声が
あたしの耳を刺激して………


お、落ち着かない。








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