続・女好き彼氏
「おはよう、美夜」
どき。
久々に悠雅に名前を呼ばれた気がして
自分の心臓が飛び上がったのを感じる。
でもそんなあたしとは裏腹に
悠雅くんはどこか寂しそうな表情を浮かべて
パッとあたしから視線を逸らした。
え…?
なんで、そんな顔して…
そう考えて悠雅の顔を
じっと見ていたとき
あたしの視界がぼんやりとぼやけた。
ズキズキと痛み出す頭。
体が熱くて足が震える。
あ、そっか…
あたし、風邪だったんだよね。
あのにちょっと
はしゃきすぎて
どきどきしすぎたのかもしれない。
ほんとにいきなり頭痛とめまい。
くるくる回るおかしな世界。
てるちゃんも
光太も悠雅もみんなぼやけて
なにがなんだかわからなくなる。
あー…
風邪の時にいろいろ考えない方がいいや…
でもそんなあたしにお構いなしで
みんな何かを話してる。
その声がやけに大きく感じて気持ち悪い…