続・女好き彼氏
俺は倒れそうな美夜の体をしっかりと抱き抱える。
美夜は意識を失う前に
何かを小さく呟いてから
意識を失った。
「み、美夜!どうしたの!?」
美夜の友達の伊藤てるちゃんが
目を見開いてなにも言わずただ立っている光太ってやつの横で慌てふためいている。
そんなやつらを横目に俺は
意識をなくしている美夜を見つめる。
制服の上からでもわかるぐらい
熱く火照った体。
荒く苦しそうな息づかい。
はぁ……
俺は心の中で大きくため息を吐く。
俺は美夜が熱で苦しそうなときに……
熱でうなされている美夜を見て
襲ってしまいたいと思ってしまった。
「はぁ」
俺はもう一度深呼吸するみたいな
ため息を吐くと美夜の足をすくい上げ
美夜の体を抱きかかえた。
「おい!どこ連れてく気だ!?」
さっきまで呆然と突っ立っていた光太ってやつが俺の肩を掴み吠えるように問いかけてきた。
「はぁ?保健室に決まってんだろ」
俺は光太ってやつを睨みつけるように見下す。
光太ってやつはかなり動揺しているみたいで
正気じゃないのか
「あぁ……そうだよな」なんて
小さくつぶやくと
力強く握っていた俺の肩から手を離した。
姉が倒れてどうしたらいいかわからないってか……。
「とにかく、俺は美夜を保健室に連れてく」
そう言って保健室に向かって
歩き出した。
後ろからは呆然と立ち尽くしているであろう光太ってやつを心配して声をかける
伊藤てるちゃんの声が聞こえた。