続・女好き彼氏



俺は美夜を抱えながら
黙々とざわつく廊下を歩く。


周りからはひそひそと声がして
俺達のことを見ている。


別れたんじゃないのとか
付き合いだしたのだのか

口々に自分勝手なことを喋っているやつら。



その中で
俺達に歩み寄ってくる
うざそうな女がいた。


「ねぇ、悠雅ー、そんな重たいもの持ってないであたしと楽しいことしよー?」


そう言って女は俺の腕に自分の腕を絡みつけ
でっかく育ちすぎた胸をぐいぐいと押しつけてくる。


多分、いつもの俺ならバカみたいについてくいだろう。



でも……



俺はベタベタ引っ付いてくる女をギロッと睨みつけドスのきいた声を出す。


「お前の重たい脂肪を俺に引っ付けんな」


そんな冷たい俺の言葉に驚いたのか
俺の腕に絡まっていた女の腕がストンと滑り落ちた。


その様子を見てから
もう一度呆然と立ち尽くしている女を睨みつけてからまた歩き出す。







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