続・女好き彼氏


『柔らかい』って…………
なんだよ。


それって、なに?
なんで自分の唇を二回叩いたんだ?

な、んで?


俺の頭の中には最悪のことしか浮かんでこない。


最悪のこと。

それは……さ。

もしかして…………


「お、前………美夜と、キス……したの?」


今の俺は誰から見ても動揺しているのが分かるだろう。

焦っている、なぜか、俺は、こんなにも焦っている。


俺はまだ笑っている海哉から目がはなせない。



すると海哉は俺に近づき耳元で


「それは、言えない」


そう言って、俺の肩をポンポンっと手で叩き、俺の横を通り過ぎて保健室から出て行ってしまう。


海哉に叩かれた俺の肩は
ずっしりと重たくなった気がする。


放心状態の俺。

まだ海哉が立っていたところをじっと見つめている俺。


自分の視界が歪んでく。








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