続・女好き彼氏


なんて思ってたら、ツバメ様はもたれていた壁から背中を離し、にこにこと笑ったままあたしの部屋に入ってくる。


ゆっくり、ゆっくり……


ツバメ様が近づくたび心臓が跳ね上がる。


そして、あたしの近くに座っていた光太の目の前に立ったツバメ様。


「ガキがガタガタ言ってんじゃねぇぞ?」


そう言って微笑んだままものすっごい力で光太の頭をガシッと片手で掴んだ。


そして掴んだと同時に起こる、光太の悲鳴にも似た声。


「いでででで!!」


顔を歪めて今にも泣いてしまいそうな顔でツバメ様に対抗している光太。


光太………可哀想。


でもあたし、そんな歪んだ顔で痛さと戦ってる光太の顔も大好きだよ!


なんて心の中でガッツポーズなんかしてたら
ツバメ様の鋭い視線があたしの方に向けられる。










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