続・女好き彼氏
あたしは自分の高鳴る気持ちを抑えながら
ムスッとしている光太にゆっくりと近づく。
「そんなに怒っても仕方ないよぉ?
ここは頑張ってカッコいいところをみんなに見せたら………」
「そんなとこ見せなくていいし」
そう言って怒ったまま自分の足を腕で抱え込みちょっと頬を膨らませている光太。
あぁ、その怒った顔最高だよ。
かわいすぎるよ。
飛びつきたい衝動を必死にこらえて
とりあえず怒っている光太のなだめることにした。
「なかなかないチャンスなんだから……」
わがままいっちゃだめ。
あたしがそう言おうとしたとき
まだ頬を膨らませている光太があたしの方をチラッと見て不満そうに呟く。
「俺なんかより……あいつのことが見たいだけのくせに……」
そう呟くとあたしから視線を外し顔を抱えている膝に押し付ける光太。
えっ…………と。
あたしの動きは光太の言葉でピタリと止まる。
高鳴っていた心臓が今度はいやに早く動き出す。
考えていなかったわけじゃない。
だって、あたしたちの学校のマスコットキャラに選ばれてるのは光太だけじゃない。
悠雅だって………選ばれた人で
だから、つまり……
光太たちと一緒に劇に出るってわけで………