続・女好き彼氏
さっきと違う、低い声。
あたしは驚いて頭上げて海哉くんの顔を覗き込む。
そこにはさっきまで笑顔だった海哉くんの面影とかは全くなくて……
まるで別人みたいに冷たい表情を浮かべていた。
え?なんで?
あたしは首を傾げて海哉くんを見る。
だって、あまりにも表情が変わりすぎているから。
すると海哉くんがあたしの方をチラリと見てきた。
「言ってもいい?」
「え?」
その海哉くんの質問にあたしの心にまた疑問がうまれる。
なんで、そんなこと聞くの?
あたしに伝言があるならすぐに言ってくれればいいのに。
あたしはまた首を傾げてみせる。
すると海哉くんの口元がまたにっこりと微笑んだ。
ただ、口元だけ笑ってるだけで
瞳は全くなくと言っていいほど笑っていない。
え?
「じゃあ………言っておくね?」
そう言うと、またあたしに近づく。
そしてあたしの耳元で囁いた。
「悠雅、また彼女が出来たんだって……
だからこれから関わりたくないって」