続・女好き彼氏

演劇練習



「はぁ……………」


あたしは、今日何度目かわからない溜め息を口から零した。


「溜め息が顔にかかる」


そう言ってムスッとした表情であたしの事を見てきたてるちゃん。


「あ、ごめん………」


そう言いながらあたしは、てるちゃんに軽く頭を下げて下を向く。


そして、あたしの視界に入ったのは全く手のついていない宿題のノート。


あ、全く宿題進んでない………。


そう考えてまた出てきそうになったため息をゴクリと飲み込み、何も書かれていないノートに自分の額を当てた。


「全く宿題、進まない」


「当たり前でしょ。ため息ばっかりついてるんだから」


そういいながらガリガリと宿題の問題を解いていく音が聞こえる。


「だって………」


あたしが弱音を吐きそうになるとてるちゃんは、あからさまに大きなため息を吐いてきた。


「だってもこってもなし!!
もう、8月なんだよ!?早く夏休みの宿題終わらせないとだめじゃん!!」


全く宿題が進まないあたしを見かねてなのか
てるちゃんは少し強めに怒ってくれた。


そう、もう8月………。


悠雅に彼女が出来てもう何ヶ月たった?


一週間ぐらいで別れると思ってたのに……。


そんなことがあたしの頭の中をぐるぐると回っていた。


だって、気になって気になって仕方ないんだもん。










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