続・女好き彼氏
無意識にピクリと体が揺れる。
だ、だって人が告白しているところを勝手に聞いてしまったから………
って、そうじゃなくて!!
あたしは慌てて声のする方を見た。
そこにいたのは……。
ああ、やっぱり。
あたしの予想したとおり。
「あなたを思うだけで……この胸が張り裂けてしまいそう」
そう言いながら跪いて
女の子の手を取る悠雅の姿。
あたしは壁の陰に隠れて
建物の中で練習しているマスコットキャラクターの人たちの演劇の練習を覗く。
この暑い中、必死になって練習しているみんな。
その中でより光って見えてしまう悠雅の姿。
うわわ………
やっぱり、かっこいい。
なんて思いながら
チクチクと痛む胸をギュッと抑える。
演劇の練習だといえ……
あの熱い眼差しであたしのことを見つめてほしいと思ってしまう。
「うらやましい……な…………」
なんて……
そんな事を考えて落ちこんでしまう。
「何?覗き?」
「え!?」
いきなり、あたしの耳元で誰かがそう呟いてきた。
いきなりのことに驚いて
思わず大きな声を出してしまった。