続・女好き彼氏



俺が小首を傾げていると
小麻里の小さな手が俺の腕を掴んだ。


「先輩。ちょっといいですか?」


「え?………ちょっ…!!」


俺が「いい」と言う前に
ぐいっと腕を引かれてどこかに連れて行かれる。




「え、え?小麻里、いきなりどうしたんだよ」


「………」


「小麻里?」


「………」


俺が何度も小麻里に話しかけても
返事をしてくれない。


なんで、怒ってるんだ?


俺には小麻里がなんで怒っているのか
全く分からず、ただついていくことしかできない。







そして、たどり着いたのが
人気のなさそうな建物の裏。


その場所についたと同時に
俺の腕をパッと話した小麻里。


だけど、小麻里は
俺に何かを言うわけでもなく
俺に背中を向けて立っているだけ。



「小麻里?どうしたんだよ…?」


「………」


何度聞いても
何度呼びかけても

反応がない。



俺は、どうしていいか分からず
小麻里に近づこうと
一歩、足を動かしたとき……



「先輩は…!!」

















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