続・女好き彼氏



「そう……ですよね…」



小麻里は
ドキドキと心を弾ませている俺とは正反対に、より一層下を向いてしまった。



そんな小麻里を見て
少し心臓が痛む。


でも、でも今俺は……


小麻里に言いたいことがある。



今、言わないといけない。



今……小麻里に


別れてほしいって言わないと。



俺は小麻里に
気づかれないぐらいに深呼吸をして
唇をグッと噛み締める。


よし、言うぞ。



そう心に決めて
口を開ける。




「小麻里、俺……!」

「先輩ッ!あたし……!」





俺は小麻里に別れを決意して
言おうと口を開いたとほぼ同時に
小麻里も口を開いた。



「「え。」」


同時に言葉が重なりすぎて
二人同時に固まってしまう。


え、なんだ?


小麻里も俺に何か言うことがあるのか?


俺はいきなりのことで
頭が混乱する。


「「あ、えと……先にどうぞ」」



「「え」」


またお互いの言葉が重なる。


うおおおおおおおおおおお!!


なんだこのもどかしい感じ!?
































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