続・女好き彼氏
そんな、弱い考えが
あたしの中で渦巻いて
息ができないぐらい
心が痛い。
「おい、小麻里。何言ってんだ」
悠雅が小麻里ちゃんの名前を呼ぶ。
たったそれだけで
あたしの心がまた痛む。
いやだ。
小麻里ちゃんのこと
見ないでよ。
「だって、先輩……」
小麻里ちゃんが悠雅のことを見上げて話し出す。
その光景だけで
二人はとてもお似合いで
いやだ、いや……
二人だけで話したりしないで。
そんな醜い感情が
グツグツと湧いてくる
あたしは自分の拳をグッと掴む。
手のひらに自分の爪が食い込むことなんて
全く気にならない。
痛いなんて感じない。
だって
そんなことより
あたしの心の方がボロボロだから。
誰か助けて……
「とりあえず、落ち着けよ。小麻里」
そう言って
小麻里ちゃんの肩に触れようとした
悠雅の手の動きが見えた。
触れる。
悠雅が
小麻里ちゃんに
触れる。
そんなことを考えたら
いてもたってもいられなくて……
「い、や……」
搾り出すように声を出して
知らないうちに
あたしの足は悠雅の方に走っていた。