続・女好き彼氏




一歩


また一歩と近づくたびに


足が鉛のように重くなる。



何かがあたしを戸惑わせる。



悠雅


悠雅



あなたは


今、あたしの目の前にいるのに…



どうしてこんなにも遠く感じるの?



腕を


手を


少し伸ばせばあなたに触れれる。



そんな距離のはずなのに……



遠いよ………悠雅。



あたしの瞳から
知らないうちに涙がこぼれて



早く


あなたに触れたいのに


足がもつれて


うまく動かすことができない。



悠雅、悠雅…



誰にも触れないで…

あたしだけに触れて



記憶をなくす前の悠雅みたいに


余裕な笑みを浮かべて


あたしに好きだと囁いてよ…







悠雅に触れるまでの距離



あと数センチ。























< 253 / 355 >

この作品をシェア

pagetop