続・女好き彼氏
一歩
また一歩と近づくたびに
足が鉛のように重くなる。
何かがあたしを戸惑わせる。
悠雅
悠雅
あなたは
今、あたしの目の前にいるのに…
どうしてこんなにも遠く感じるの?
腕を
手を
少し伸ばせばあなたに触れれる。
そんな距離のはずなのに……
遠いよ………悠雅。
あたしの瞳から
知らないうちに涙がこぼれて
早く
あなたに触れたいのに
足がもつれて
うまく動かすことができない。
悠雅、悠雅…
誰にも触れないで…
あたしだけに触れて
記憶をなくす前の悠雅みたいに
余裕な笑みを浮かべて
あたしに好きだと囁いてよ…
悠雅に触れるまでの距離
あと数センチ。