続・女好き彼氏
もうすぐ
もうすぐ
悠雅に触れることができる。
そう、思ったのに……
ぼやけた視界に入った悠雅の唇。
血で傷ついて赤く滲んだ真っ赤な唇。
それは、小麻里ちゃんとキスした時にできた傷。
あ……
その傷を見たと同時に
あたしの動きが止まってしまう。
「やめてよ!!」
キーンッと耳を貫くような小麻里ちゃんの声。
あたしの動きが止まったのと
ほぼ同時に叫ばれた。
小麻里ちゃんの声で
みんなの動きがピタリと止まる。
静まりかえったこの方すみで
小麻里ちゃんの怒鳴り声だけが響く。
「美夜、先輩。いい加減にしてください!!」
「………」
その場からピクリとも動けないあたしの肩を
小麻里ちゃんは乱暴に掴む。
「どれだけ……どれだけ
周りの人を傷つけたら先輩は気がすむんですか!?」
「え……?」