続・女好き彼氏



「え、あ……俺…」



光太は自分がしたことにハッとしたのか
慌てた様子で声を出した。


それでもあたしの体は止まったままで


怖くて怖くて……


小麻里ちゃんの言葉を思い出してしまう。



【あたしはみんなに迷惑をかけている】


【あたしはみんなを困らせている】



ああ、ああ……



あたし……


どうして気がかなかったんだろう。



あたしは……


こんなに辛い顔を

今までもさせていたなんて。



大切な


大切なあたしの弟なのに…


あたしは

何もわかってなかったんだ。



あたしの体が勝手に震えだす。

怖いとかじゃない。


ただ、あたしの愚かさに
身震いしてしまうの。


「あの、美夜……俺…っ」



光太の戸惑う言葉にあたしはハッと我に返る。


「ご、ごめんね!変な事して…
お姉ちゃん、調子に乗ったみたい!!」



そう言ってあははっと笑うあたし。


これ以上

光太を困らせちゃいけない。

























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