続・女好き彼氏
「え……?」
光太くんの声が耳元で聞こえる。
たったそれだけで
ドキッとして……
あたしは光太くんにあたしだってバレないように
光太くんの目を隠す。
「あ、ちょ………え?」
光太くんはテンパっているみたいで
あたしを自分から離そうとしているけど…
全然力が入ってないよ。
きっと、光太くんは今
美夜に抱きしめられてると思ってるんだ。
光太くん
光太くん。
光太くんの香りが
いつもより近くで香る。
「光……太…くん」
ほんとに
ほんとに
呟くぐらいの声で
あたしは名前を呼ぶ。
光太くん。
あたしじゃ、だめなのかな?
光太くんの中に
あたしは入っていけないのかな?
こんなに……
心が壊れそうなぐらい好きなのに…。
「美夜……?光太くんってなに?」