続・女好き彼氏






海哉が話してくれた。


何もかも隠さずに。


俺のことが好きで
美夜に嫉妬して

美夜を殴ろうとしてしまったこと。


それを俺が庇って
美夜の記憶をなくしたこと。


それ以外にも


全部……。






ほとんど退院する前に聞いた話ばかり。


だけど、まさか…


その女の子が
こんなところに閉じ込められていたなんて。




「ごめ…ん、なさい……」



目の前に座っている八神が涙を流す。



「ほ、本当にごめんなさい。

謝って許してくれなんて言わない。

こんなことしていくら反省しても……足りない……」



綺麗な瞳から水滴が落ちる。
白い肌を伝い、手の甲に落ちる。



よく見れば、八神の目の下にはクマが出来ていた。
頬も少しげっそりしている気がする。


泣きたいのはこっちの方。


記憶をなくして
美夜との思い出を思い出せない。


辛くて辛くて
いくら謝られても心から許すことなんてできない。



だけど


だけど……
















「八神……」



俺が少し暗い声で女の子を呼ぶ。


すると八神は体を少し震わせて
真っ赤な瞳で俺を見た。













































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