続・女好き彼氏
「悠雅、どうした?」
海哉の戸惑ったこえが聞こえる。
「な、なにか……何かが……」
「え?」
俺は今、気が動転していて
うまく自分の気持ちを話せない。
焦る気持ち。
うるさい心臓。
な、なんだ?さっきの?
暑くもないのに汗が流れる。
病気かと思えるぐらい
呼吸が荒い。
そんな、俺を見たからなのか
海哉が俺の腕を掴んだ。
「とりあえず、落ち着け……」
俺は海哉の落ち着いた声と言葉を聞いて
軽く頭を縦に振ると椅子に腰掛ける。
そして、大きく深呼吸をした。
「もしかして……なにか思い出したか?」
思い……出した?
俺はその海哉の言葉に
頭を横に振る。
そんな俺を見て海哉と八神が大きく息を吐いた。
そう、まだ……思い出してない。
思い出して、ないけど……。
「なんか……心が熱い」
俺はそう呟くと
大粒の涙を流し始めた。