続・女好き彼氏



「え、お、おい……」

「あ、あの……大丈夫?」


二人が俺を心配する。

なんて、俺は情けないんだ。




でも、それでも溢れてくるのは



「俺……美夜が好きで仕方ないんだ……」










最近やっと美夜のことが好きだと自覚して


でも、自覚した途端


自分の気持ちを知られるのが怖くなって


美夜から離れようとしたのに……



好きで、好きで仕方なくて。



まさか自分がこんなに他人に溺れているなんて……


そんなこと思ってなくて


記憶をなくして過去のことを忘れたとしても……


俺の美夜を思う思いだけは残っていたみたいで…




「心が………裂けそうだ」



裂けそうなぐらい



美夜が好きだ。


でも……でも美夜は今……




俺は涙をいっぱい溜めた瞳で海哉を見た。



「海哉……」




少し低い声で俺は海哉の名前を呼ぶ。


その声に反応したのか海哉の身体がぴくりと跳ねる。


「な、なに?」


海哉の声に緊張の色が見える。
心なしか顔を強ばっているように見えた。



































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