続・女好き彼氏



「話したいことがあるの。今……いいかしら?」



暑い。暑い。


夏の昼。



こんなにも

背筋が凍ることがあったかな?



そう思えるほどに
身体が冷えてしまう。



あたしは冷や汗を流しながら唾を飲み込む。



「は、はい……どうぞ…」



あたしは震える手で家の中を指差し
小麻里ちゃんを招き入れる。



「お邪魔します」



それだけ言うと
小麻里ちゃんは家の中に入る。



「……」


「……」



私には重たい沈黙。



私に話したいことがあると言った小麻里ちゃんは
何も言おうとしない。


い、一体話って何?


そんな考えがあたしの頭の中に
浮かんでくる。



ドキドキと心臓を高鳴らせ
あたしはついにこの沈黙に耐え切れなくなる。




「あ、あのさ…
ここじゃなんだし……上がっていって?

ここ、暑いし」



「美夜さん」



私の言葉にわざと言葉を重ねるみたいに
小麻里ちゃんが声を出す。




































< 335 / 355 >

この作品をシェア

pagetop