続・女好き彼氏
「麦茶しかなくて……」
そう言って冷えた麦茶を小麻里ちゃんの目の前においた。
「あ、ありがとうございます」
そうぼそっと呟くと
小麻里ちゃんが麦茶を一口口にした。
ゴクリと喉を鳴らし口からグラスを離す。
そして小さくため息を吐いた小麻里ちゃん。
あたしはそんな些細な小麻里ちゃんの行動を
じっと眺めていた。
するとあたしの方をチラリと見る小麻里ちゃん。
そんな動作にあたしはどきりと心を鳴らす。
「あ、あの……話の事なんだけど……」
あたしは思い切って話を切り出した。
すると小麻里ちゃんの身体がびくりと震えた。
そして……
「あ、あたし……
悠雅先輩が好きです」
ズキリ……
あたしの心に傷がついた音がした。
痛い
痛いその音は
あたしの耳に届く。
「そ、そっか……」
あたしはそんなそっけない言葉しか出せなかった。
だって
あたしは今、悠雅の彼女とかでもないし…
それに友達なのかもわからないし…