続・女好き彼氏
今は数学の授業をしている……
と思う。
だって考えすぎて頭が働かなくなって黒板は緑に見えて人はつまようじに見えてしまうんだもん。
つまようじの声は高くなったり低くなったりしてて気分が悪い。
あぁ、なんであたしは授業なんかを受けてるんだっけ……
って、席に座ってるからじゃん。
あたしはボヤーッとした変てこな景色を見続ける。
あ、なんか……背の高いつまようじが近づいてきた。
あ、なんか身体が浮いた気がする。
なんだか周りがざわざわしてうるさいなぁ…。
「星野、ちゃんと保健室に連れていくんだぞ」
「わかってますよぉ」
星野?
星野って悠雅くんだよね?
悠雅くんどこかに行っちゃうんだ……。
そう考えてからあたしは重たい瞼をゆっくりと閉じた。