続・女好き彼氏
「聖斗君……、あたしが悪いのはわかってる!!でも、中に入れてくれないなんて……」
周りから聞こえる。
あたしが可哀想だと
聖斗が嫌な奴だと
聖斗が最悪だと
周りの人達がそう言っている。
ぶフフ…、面白い。
聖斗の怒りの視線があたしに向けられているのがわかる。
だが、そんなの気にしませんとも!!
「ごめんなさい!!お願いだから、そんな怖い顔で睨まないで……」
そんでここで、俯いた振りをしての……
目薬で涙を演出っ!!
あたしの瞳から目薬で流した涙がボロボロと流れ落ちる。
「あら、泣いちゃったわん」
「可哀想に…」
「あいつ、ホントに最悪だな…」
周りからボソボソと聞こえてくる。
聖斗を追い詰める声。
その言葉たちにとうとう限界がきてしまったらしい。
「わかったから、入れ!!」
怒鳴りながらそう言うとあたしの着ている服をガシッと掴み、家に放り投げるようにして入れられた。