ひざまくらの後は?
「全然、そんなのじゃないですよ」

顔を横に振って否定しようとすると、

「痛っ!」

頭皮に痛みが走った。


「あ!わ、わりぃ!」


机越しに目の前に立っていた小諸先輩の伸ばした腕、ブレザーのカフスボタンに私の髪が絡まっていた。

「い、いえ!大丈夫です、びっくりしただけでそんなに痛くはないので」

慌てて髪を解こうすると余計に絡まったのか、なかなか外れない。

も、もう〜!
外れないです!恥ずかしいのに!


はぁ、と不意に聞こえた先輩のため息にさらに焦る。

「あ、あのっ、ごめんなさい!絡まったみたいで!」

「は、早くしろよな」

「はいっ!」

やっぱり髪長いと面倒くさいです……。
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