ひざまくらの後は?
「待て」

「え?」

「そいつ、髪触ったって言ったか?」

「え、あ、はい……たぶん?」

もうだいぶ昔のことで記憶はあやふやでよく覚えていない。

「ダメだろ」

「ん?」

「どう考えてもダメだろ、それ」

「え!?6年くらい前の話ですよっ?」

「いや、無理。すごい気分悪いんだけど」

「えぇ!?智くん?」


目の前の智くんは、その今日も変わらず整った顔を本当に嫌そうに歪めてみせる。

お姉ちゃんの話をしたときの何倍も嫌そう……。

何なら家族の話をしてたとき聞いてたのか疑うくらい反応薄かったですし。

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