ひざまくらの後は?
私は天音を羨ましく思うあまり、優しく出来ずにいた。

天音に何か頼めば嫌とは言わず、私の言うことを聞いてくれるから調子に乗っていった。


「天音、そのプリン食べないならちょうだい?」

「え……、でも」

「いいよね?」

天音が甘いものを最後に食べることを知っていた。
だから残してるのだということを。

だけど、私は甘いものが大好きだったしすでに自分のプリンは最初に食べてしまったから天音から貰えばいいと思っていた。

天音は少し考えたあと、

「うん、いいよ」

こうして私に譲ってくれる。


だんだんと自分の意見を押し通すことがなくなった天音は、この頃から泣かなくなったような気がする。


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