ひざまくらの後は?
世の中には上には上がいるのだと、
井の中にいた私は、ようやく大海を知ったのだ。

見事に鼻っ柱をへし折られた私は、諏訪さんを純粋に憧れたし、尊敬していた。

仕事でたまに一緒になるだけで、どんな仕事ぶりなのだろうと近くで見られることにワクワクしたし、仕事で認めてもらいたいとドキドキした。


大人でスマートな彼は、仕事面だけでなくその容姿もまたずば抜けて良く、一見すると冷たい印象を持たれるだろうけど、うちの社内でも人気が凄かった。

同じ会社ではない私には彼に付き合っている人がいるのか、そんなプライベートなことは何もわからなかった。

彼という人はずっと、近づきたいけど、遠い存在だった。



そんな諏訪さんが。

まさか、諏訪さんまで、天音を選んでいたなんて。
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