ひざまくらの後は?
「いいえっ。お酒飲むの阻止できなくて、こちらこそすみません」

「君のせいじゃないよ。天音の自己管理がなってないのが悪い」


周りの目がこちらに集中している中、聞こえるのは私たちの会話だけ。

誰もが諏訪さんとの会話に興味津々らしい。


だけどやっぱり、彼はそんなこと微塵も気にしないらしい。



「じゃあ俺はこいつ連れて帰るけど、咲ちゃんはどうする?帰るなら送るけど」

私に顔を向けながら問いかけた彼に答えようとした私の声は、

きゃああぁ~!!

突如沸き起こったたくさんの悲鳴にかき消されてしまった。


その原因は、言わずもがな。



……諏訪さんが天音を片手で抱き上げていたから。


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