ひざまくらの後は?
嘘も隠し事も
小さい頃から私は人と争うことが苦手だった。
相手が何か意見や主張をしてきて、それが自分と合わなくても嫌なことでも害がなければそのまま受け入れた。
べつに自己犠牲の考えがあるわけでもなく、ただ単に、そんなに通したい思いがあるならその気持ちを優先したらいいのではないかと思うからだ。
わたしには、そんなに強く思うほどの考えや気持ちがなかったから、
それならそれで、争ってまで相手の意見を変えなくてもいいと思ってた。
だって、
今までの人生は絶対に手放せないものも、
どうしようもなく大切なものも、
なかったから。
智くんと出会うまでのわたしは、そんな大切なもの持ったことがなかったの。