草食、ときどき肉食。
ガタンっ

宮越が席を立って
あたしのところに来た。
「うっぜー、まじ上目使いとか猫撫で声とか聞くだけでまじ吐き気。」

……。
でたよ。みんなが居なくなったとたんにキャラ変。
「はぁー。そんなにうざいんならシカトでもなんでもすればいいじゃない。なにが楽しくて裏表使いわけてんのよ?」
宮越はダルそうに答えた。
「あぁ?別に。優しい性格とか天然ブッとけばいろいろ得なんだよ」
「ふ〜ん」
(だったらあたしにもクラスに居るときみたいに優しーい顔とかしてくれればいーのに!!)
「んだよ、その態度。俺にそんな態度とっていいと思ってんの?」
宮越は不敵な笑みを浮かべて言った。
「はいはい。すいませんねーだっ」
あたしは帰ろうと立ち上がった。
そのとき…
!!!!!
「んっっ!!」
いきなり宮越に口を塞がれた。
「宮っ…やめっ…んっ!」 ようやく解放された。
「お前が生意気な口ばっか聞くからだよ。自業自得(笑)」
あたしはなんかすっごい悲しくなった。
涙が頬をつたった。
(宮越はクラスの人気者だし結構モテるし、もしかしたらあたしなんかただの遊びみたいなものなのかな…。)
そう思うと余計に悲しくなった。
そんなあたしを見た宮越は
「はぁ!?何泣いてんだよ!キスしただけだろうが!」ほらね、宮越にとったらただのキスでしかないんだよ。あたしじゃなくたって、誰とだって出来るんだよね、きっと。
だからあたしは宮越に言った。
「宮越はさ、あたしのどこを好きになってくれたの?キスぐらいって言うけどあたしにはそれは特別なことなの!軽いきもちなんかでしないでよ…」
また涙が溢れてきた。
「おい。軽いきもちってなんだよ!!お前に俺の気持ちなんてわかんのかよっ!!」
「わかんないよっ!わかんないから悩んでんじゃん!もうこんな思いしたくない、別れよ」

ダンッ!!

あたしは急いで教室を飛び出した。

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