今日も地球の上では☆1
その光景を、ニヤニヤと笑いながら見ていた良子ちゃんが言った。



「この高校は開校23年になるんですけど、開校以来、伝統行事があるんです」

「伝統行事?」

「毎年文化祭の時に、全校生徒の中から、その年の『プリンス』『プリンセス』と言われる男子と女子を1人ずつ選ぶ、まぁ、人気投票みたいなものですね」



そう言った後、良子ちゃんはたすき掛けして持っていた自分のバッグから、1冊のアルバムを取り出して開いて俺に見せた。



「新聞部で管理している、歴代『プリンス』『プリンセス』の写真集です」



あっ! 高校時代のミューだ!



「うわー、止めて~、恥ずかしいから、流くんは見ないでぇ~」

ジタバタするミューを片手でセーブしている良子ちゃんって……何物なんだ?

まぁ、それよりも……。



ミューには悪いけど、思わず見入ってしまう。

想像通り……可愛い。



「実はこの歴代『プリンス』『プリンセス』は競争率が激しくて、毎年顔ぶれが変わっていて、2年以上連続でなった者はいなかったんです……ただ1人を除いては」

そう言ってから、良子ちゃんはチラッとミューを見た。



えっ? ミュー?


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