今日も地球の上では☆1
「どうしたんだ? なんで落ちたんだよ?」

「あのね、急に蜂が私の周りを行ったり来たりして……」

そう言ってミューが上空を見た。



俺もつられて見上げると、確かに蜂が少し離れた上空を飛び回っていた。

それで逃げているうちに、足元を見ていなくて滑り落ちた……と言う事か……。



俺は迷った。

きっとショックを受けている筈のミュー。

ここで待機しててもらうか?



本当はここの現場では、対標設置をするのに木の上に登らなければダメで、出来るだけ身軽な状態で登ってから、木の下に居るミューにロープで他の荷物を上げてもらう予定だったんだけど……。



ミューをもう1度見た。

よく見ると、右耳の下付近の頬に土が付いていた。

もしかしたら、擦りむいてるかもしれない。

左膝は穴が開いて、微かに血が滲んでいる。



ケガをさせてしまった……。

やっぱり、これ以上は無理か……。


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