今日も地球の上では☆1
「あっ、あのね、作業終了したと思ったら、なんか安心しちゃって」



その言葉にハッとした。

やっぱり、ずっと気を張っていただけで……作業終了で気が緩み、落ちた時の恐怖が蘇ったのか?



「怖い思いさせて、ごめんな? よく頑張ったよ。ミューが一緒に来てくれなかったら、こんなにスムーズに作業が終わらなかったから、助かった。ありがとう」

俺がそう言うとミューの表情が変化し、我慢しきれなかったようでポロポロと涙を零した。



「ミュー、よく頑張ったな」



頭を撫でてそう言うと、ミューが顔をクシャクシャにして、俺に『ドン』っと抱きついて来た。

その勢いでしりもちを付き、思わず地べたに座る形でミューを抱き止めた。



「流くんに褒められたぁ……怖かったぁ……でも、役に立ったって……嬉しいよぉ」



小刻みに震えて泣きながらも、そう言うミューを愛おしく感じて、俺はギュッと抱き締めた。

怖かったけど、俺の役に立って嬉しいだなんて……そうまで好きな女性に言われたら、抱き締めたくもなるだろう?

俺の腕の中で、ミューは抵抗もしないで泣いていた。



俺は抱き締めながら、優しくミューの頭を何回も撫でてあげた。

『よく頑張った』
『ありがとう』
『もう大丈夫だよ』

時折そんな言葉を掛けていると、少しずつミューの体の震えが止まってきた。


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