今日も地球の上では☆1
ミューが頬を膨らませ、俺の胸をポカポカと叩いた。

俺はその手を、ギュッと掴んだ。

ミューが首を傾げる。



「ミュー? 早く食べないと、昼休み、終わっちゃうぞ?」

「あっ!」



ミューが時計を見た。

12時20分。



「では、俺のお姫様が作ってくれた弁当、頂こうかなぁ♪」

「りゅ、流くん、変! 『俺のお姫様』とか……そんな恥ずかしい事、言うなんて……」



まだ俺が掴んでいる手を、ブンブンと上下に振って、振り解こうとしているけど……目の前に見えるミューの顔は真っ赤だった。



「イヤ? こう言うの?」

俺がそう訊くと、ミューの動きが止まった。

そして、キョロキョロと視線を泳がせるミュー。



「イヤじゃ、ないよ……本当は、流くんに特別扱いされているみたいで、ちょっと嬉しい……かも?」



『みたい』じゃなくて、そうなんだけど……まぁ、いいや、ミューが喜んでいるなら。



そして、それから一緒にミューの手作り弁当を食べた。

お昼休みのわずか1時間だけの、甘い時間。

あっという間に終わってしまって、『今度一緒に休める日があったら、絶対デートしよう』……そう強く思った。


< 74 / 97 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop