今日も地球の上では☆1
「あのね……私だって童話の世界の『お姫様』なんかじゃないんだよ? 大好きな人に……流くんにこうやってギュッて抱き締められると嬉しいし、ちょっとでも長い時間、一緒に居たいと思うの」



ミューは泣き止んでいたけど、さっきまで泣いていたせいで、瞳がウルウルと潤んでいた。



「それなのに、流くんは少しでも私から離れたいのかと思って……悲しかったの。だから、違うって分かって、安心した」



ああ、やっぱり、『24時間仕事モード』って……こんなミューを目の前にしたら、絶対無理!

前言撤回!

仕事は仕事。

プライベートはプライベート。

今は……『プライベート』。



俺はもう1度、ミューをギュッと抱き締めた。



「流くん?」

「あのな、ミュー」

「うん」

「俺はミューが思っている以上に、きっとミューの事が大好きだよ」

「流くん」

「『ミューが彼女になった』と思ったら、俺、自分が想像していた以上にテンション上がってて……時々、暴走しそうになるんだ」

「暴走?」

「昨日のお昼休み。俺の為に弁当作ってくれたのが嬉しくて、会社なの忘れて抱き締めたくなった」

「えっ?」

「ミューが嬉しそうに笑うと、体が無意識にミューに触れたくなるんだ」



俺がそう言うと……ミューの腕が、俺の背中に回った。


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