私は、みた。
ドアの前にに座り込んで、どれぐらいがたっただろう。

私はふとカーテンが開けっ放しになった窓のほうを向いた。
きらきらと部屋に降り注いでくる月夜の光を眺めながら、ぼんやり、今夜は満月かぁ、と考える。
綺麗だな...

私も、あんな風に綺麗だったら...
私も、月夜の光みたいに儚く、おぼろげな存在だったら、あまり苦しい思いしなくてよかったのかな。
一人ぼっちで、誰にも気付かれなくて、寂しい思いをして... でも、こうしてたまに眺めてくれる人を見つけて照らしたりして。
そうしたら、苦しい思いをしなくてすんだのかな。

カバンをもって、たちあがる。中から手帳を取り出して明日の時間を確認する。
そろそろ寝なきゃ、間に合わない時間になったので、寝る準備を始めた。

パジャマに着替えながら、私はまた決意した。












こんな人生、どうにかしなきゃ、と。


< 8 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop