‡いとしきみ‡
少し冷めたチキン南蛮を頬張りながら、メロンソーダを飲んだ。
稔はまずいとか言いながらも、ジュースを飲み、ステーキを食っている。
 
 
「でさ。話戻るけど。優夜どーすんの?」
 
「そればっかだな」
 
「だってさ、Wデートとかしたいじゃん?アキちゃんに優夜の話してたら、会ってみたいとか言うしさ」
 
 
“アキちゃん”
 
と言う名前を聞いて、ドキッとした。
“アキちゃん”は、稔が俺の話をしてる時、どんな顔して聞いてるんだろう。
 
“優夜”=“俺”
 
だと知ってて、見てみたいと言っているのだろうか。
…すこし悲しくなった。
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