‡いとしきみ‡
しばらくして落ち着いた様子の美紀。
 
 
「きっと顔やばい…」
 
 
ボソッと呟いた美紀の言葉に、俺はツボにはまってしまってバカ笑いした。
 
 
「顔を気に出来る様になったならもう大丈夫だな!ここじゃなんだから、俺ん家でも来る?」
 
「え…?優夜ん家に?」
 
 
美紀は、急に黙り込んで下を向いてしまった。
 
 
『何か変な事でも言ったか俺?』
 
 
色々考えて、ハッとした。付き合って無い時には、美紀を何度か俺ん家に呼んでいる。
でも付き合ってからは初めてな訳で。…多分付き合い始めたから、緊張してるんだろう。
 
 
「警戒しなくても何もしねーよ(笑)」
 
「…そんなんじゃないもん!優夜のえっち!」
 
「男はエロい生き物なんだよ(笑)そりゃ男ですもん。でも、付き合ったばっかだし。美紀大切にしてぇし?つか、やりたいから付き合ったとかじゃねーし」
 
 
何故か知らないが、力説してしまった。
フフッと隣で笑う声がした後、
 
 
「じゃあ行きますかっ」
 
 
化粧直さなきゃだしね。
と続けて、歩き出した美紀を慌てて追い掛けた。
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