‡いとしきみ‡
しばらくして、照れた顔した美紀が化粧を直したらしく、バッチリな顔して戻って来た。
 
 
「おかえり。整った?(笑)」
 
「何でそんなに無神経かなぁ〜?」
 
「ははっ!そうか?美紀の泣き顔可愛いかったぞ?」
 
「…ばか」
 
「照れんなって(笑)」
 
 
会話が止まり、見つめ合う形になった俺達。
時計の針音が、やけに響く気がする。
 
 
『やべっ…もしかしなくても緊張してる?』
 
 
緊張を解そうと、
 
 
「テレビでも見るか?」
 
 
なんてごまかしながら、リモコンを探す。
しかし、リモコンが見つからない。
 
 
『あれ?何処やったっけ?』
 
 
あたふたするのも、緊張しているとばれるのも、少しダサイ気がして、平気な振りしてリモコンを探す俺。
 
 
『あ、あった!』
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