‡いとしきみ‡
「変質者って、昔言ってた公園でのアレ?」
 
 
稔が言ってる事さえ、よく分からない。
 
 
「うん。そう!あと、明菜泣かせてたのも、稔の友達のこの人みたいだわ」
 
 
そう言われ、ギッと睨まれる。
さっきから話題に出て来ている“明菜”って誰だ?
何故俺はキナちゃんに、ここまで変質者だの何だの言われなくちゃなんねぇの?
 
次第に悲しさと、苛立ちが俺を襲って来る。
 
 
“先に嘘付いたのは、そっちじゃねぇの?”
 
“稔と付き合ってるくせに”
 
 
グルグル、グルグルと、そんな思いが頭の中を駆け巡った。
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