‡いとしきみ‡
パタパタと、スリッパの音がして、ガチャリとキッチンのドアが開けば、いつも見ていた顔があった。
 
 
「あらぁ、優ちゃん久しぶりねぇ!いつも稔と仲良くしてくれて有り難う。アキちゃんも。いらっしゃい!二人とも、ゆっくりしていって頂戴。」
 
「ご無沙汰してます」
 
「こんにちわ。お邪魔します」
 
「あらあら、そんなに気を遣う様な家でもないわよ?(笑)優ちゃんもしっかりしちゃって!すっかり大人の人だわね」
 
「一応、社会人っすからね(笑)」
 
 
相変わらず、稔のおばちゃんは優しくて。
その変わらない人柄に、物凄く嬉しさが込み上げて来た。
 
 
「あれ?まだ上がってなかったの?母さん!もう…話好きなんだから(笑)俺達、上行くよ?」
 
「そうよね。寒いのに、引き留めちゃってごめんなさいね!あっアキちゃん、成人式の写真が出来たらママにも見せてねっ」
 
「はい!1番に見せに来ます」
 
「じゃぁ、後でお茶菓子持って行くわね」
 
「「有り難うございます」」
 
 
おばちゃんに挨拶をして、稔の部屋へ向かった。
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