‡いとしきみ‡
部屋の前に着いて、稔がドアを開けて、俺は部屋に入った。
 
 
「え?」
 
 
そこはまさにメルヘン…
 
俺の記憶の中の稔の部屋は、男らしい部屋だったんだが…
 
 
「雑貨屋?」
 
 
ぬいぐるみや女物の服や、少女マンガまである部屋を見渡しながら、言葉を発する。まるで雑貨屋の様な部屋だ。
 
 
「あぁ。ゲーセンで取った人形とか、週末アキちゃん泊まるから、色々と物がアキちゃん仕様になったかな?そういえば、優夜が来てた頃とは変わったよな。」
 
 
稔は、嬉しそうにそう言った。その後
 
 
「まぁ、くつろいで」
 
 
と、付け足した。
 
 
ピンポーン
 
 
新聞勧誘でも来たのか、チャイムが鳴った。
その音を聞きながら、変わりまくった稔の部屋を、しげしげと見た。
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