‡いとしきみ‡
今、俺はとても情けない顔をしているんだろうな。
申し訳なさと、後悔で、胸が押し潰されそうだ。
 
 
「それで…キナ……明菜ちゃんは何て?」
 
 
言葉をつむんだアキちゃんの続きを、聞きたい様な…でも聞きたくない様な気持ちで尋ねた。
 
 
「“わからない。振られちゃったから”
ただ、それしか言わなかった。高校の頃のね、クリスマスの日に、とても嬉しそうに…
“ユウヤくんに貰った”
っていうネックレスを、涙を流しながら見ていたわ。貴方には、彼女が居るのは聞いているわ。2股…とは言わないよね。明菜とは付き合ってなかったんだし。…その時今の彼女と明菜、2人を迷ってたの?」
 
「そうじゃない!」
 
 
俺は思わず声を張り上げて否定していた。
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