‡いとしきみ‡
いい感じに酔いも回って来て、最初は男だけ、女だけで並んで座っていた席も、ばらばらに散らばり、俺の隣にはキナちゃんが。正直心臓がバクバクだ。
 
 
「この曲誰〜?はい、マイク〜。アタシも歌う〜!」
 
 
すでにできあがっている麻衣子さんの横で、 
 
 
「飲むペース遅くした方がいいよ?」
 
 
落ち着かせようと必死な藤澤さん。可哀相に…。
麻衣子さんが歌う直前に、俺にウインクして来た。キナちゃんと話せって意味だろう。酔ってても、人に気を配れる麻衣子さんには、とても感心させられる。
 
 
“酔った今なら話せるかも”
 
俺は、勇気を振り絞ってキナちゃんに話しかける事にした。
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