‡いとしきみ‡
「そっか…。なら良かった」
 
 
一瞬、悲しそうな目をしたが、キナちゃんは笑ってそう言った。
 
 
「今まで本当にごめん!…それと、こんな俺を好きになってくれてありがとう」
 
「私こそ。………ごめ…泣くつもりなんて…」
 
 
いきなり泣き出したキナちゃんに、どうしていいのか分からずアタフタしていると
 
 
「ごめんなさい。正直、まだ忘れられてなかったの。でも、これで前に進める気がする。優夜くん、ありがとう。
…私、絶対優夜くんよりイイ人見付けてみせるんだから(笑)」
 
 
泣きながら、でも無理して笑うキナちゃんを、本当に綺麗だと思った。
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