‡いとしきみ‡
『稔か…』
 
 
誰からのメールを期待してたんだろう。
来たって、どうせ腹立たしいメールだろうに。
 
 
稔からのメールを見ながら、またあの2人の笑った顔のプリクラが脳裏に蘇(ヨミガエ)る。
 
 
『……くっそ』
 
 
返事を打ち返す気がしない。しかし、稔は何も悪くない。
悪いのは、勝手に苛ついて、勝手に教室を飛び出した俺だ。
 
むしろ、そんな俺を心配して、ハゲ崎にまでフォローしてくれた稔には、感謝しなくちゃいけない位だろう。
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