‡いとしきみ‡
『あ…キナちゃん!』
 
 
そう思うと同時に、そのシルエット目指して走っていた。約束の時間にはまだ早いけど。
 
振り向いたそのシルエットは、やはりキナちゃんだった。いつもとは違う雰囲気で、怒っているんだと感じる。
 
 
「はぁ…はぁ…キナちゃん!待って…。はぁ…俺…」
 
「………」
 
「俺さぁ…」
 
「………!」
 
 
急にキナちゃんが走り出して、俺はそこにポツンと残された。
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