フィッチエバー
ルルルルルルルルルルルル
うるさい目覚ましだ。
明日は聞くのかな?
知るか、だよな。
あー知らないよ。
明日目覚ましの音が鳴ろうが鳴らまいが隣の部屋の住人に影響があるかどうかっていう程度の話だしね。
その音を自分が聞こうが聞かまいが、目覚ましは役目を果たしているわけだしね。
…
…
…
…
…
…
…
だから、別にどっちでもいいんだよ。
アレが今、手元のリュックに入っていようがいまいが。やるきがあればやっているわけだし。
結局は都合のいいこといって現状に向き合わないで逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて…
逃げてるんだよ。
だから、こんなものは捨てたほうがいい。
ごみ箱はベンチのすぐ左にある。
ここからなげたら入るかな?
アレをリュックからとりだして下から投げてみる。
カンッ
ふちに当たってアレは地面に落ちた。
ベンチを立つと僕はごみ箱と反対方向へ歩いていくだろう。
アレがこの後どうなるかなんて分からない。
でもごみ箱に入らなかった事実は残していこうと思う。
明日からの予定はどうしようか。
家に帰って予定作りでもするか。
ベンチを立つと、ごみ箱とは反対方向へ歩きだした。
リュックは軽かった。